不思議な運命

今日は、10年前に亡くなった父の働いていた会社にやってきた。

 

先日、会社の社長が変わり経営方針などの変更に伴って

父がやっていた軽音部の部室を社員用の仮眠室に改装したいとの事。

 

父のドラムやギター、キーボードなどを改装の為に処分しなくてはならないが

もし引き取りを希望するならしばらく待ってくれるとの事だったので、

昔から関わりのある児童施設や学校、ボランティア団などに連絡をし、必要としている所がないか聞いてみたら

ありがたい事に引き取りたいと申し出てくれる所がいくつかあった。

 

その中で、まだ楽器を全く所有してなくこれから活動を始めたいというフリースクールにぜひ引き取って欲しいという事になり、自分は30年ぶりくらいに父の職場へ来た。

 

 

昔父は休みの日に自分や兄弟を会社のこの部室に連れてきてくれて

ドラムやギターを触らせてくれてた。

当時は楽器よりも奥の棚においてあるお菓子を食べるのが楽しみだった。

 

部室は当時と変わらずに、埃こそうっすらかぶっていたが

父が亡くなった後も、綺麗に大切に保管し続けてくれていた。

会社の組合の委員長と、幼少期通ってた空手の先生だった父の同僚が一緒に立ち会ってくれた。

 

何度か処分の話も出た事があったそうだが、その度に「大河内さんのドラムだから」と、みなで反対して残してくれてたとの事で、感謝しかなかった。

 

 

 

空手の先生も委員長も父との思い出話をたくさん話してくれて、

他の社員の方も大河内さんの息子が来てるとの事で顔を出してくれて

小学生の時によく海に行ったり山に行っていた人達など、懐かしい顔ぶれと最後の挨拶が出来て

ほんとに温かい職場で父は愛されてたのだなと

とても心が温まりました。

 

今回これで引き取りが終わった事で

もうここに来る事は2度とないのだなと思うと

感慨深くなりました。

 

その後はフリースクールにドラムやギター、アンプやミキサーなどを、

利用してる中高生の子達が協力して運び込んでくれて

「やったー、ドラムだー!」「ギター早く触ってみたい」

と喜んでる顔をみて、心から

「良かったね!」と思った。いやもしかしたら普通に口に出してたかもしれない。

 

この若者たちにだけじゃなく

父にも、このドラムにも、誰かの役に立ててほんとに良かったね!って心が温まる1日でした。

 

 

父から自分に音楽の楽しさを伝えてくれたこのドラム、これからもいっぱい音楽の楽しさを教えてあげてください。

どうもありがとう。